オババの森の木登り探偵



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オババの森の木登り探偵
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宝物

 表紙の絵とタイトルを見たとき「あっ」という感じで手にしていた。私が子どもの頃の東京には何処にでもあった懐かしい風景であり、「探検」とか「遠征」と称して出かけたものだ。
 主人公の木登り探偵が棲む「ツリーハウス」はその頃からの夢であり、大木の上や藪の中のくぼみを格好の秘密基地として遊びの拠点として、暗くなるまで遊びほうけていた時代を思い出させる。
 懐かしさを実現している主人公は、そのまま読者である自分を写しているかのように物語に入り込める。自然から遠ざかってしまった都会人の抱える問題点と解決策を優しく示唆しているように感じる。
 その当時は、自然の循環や生命の連鎖の大切さなどは意識しないが、水たまりに生み付けられたカエルの卵がいつの間にかオタマジャクシになり、カエルになる。二匹のトンボがくっついたまま水面に産卵する。しかし、その水たまりも、子供の水遊びで水がせき止められて乾いてしまうと産んであった卵も一緒にひからびる。「いのちのはかなさ」を実際に見つめてきた。仮想の世界で遊ぶのではなく、現実の森の中で虫さされや擦り傷切り傷といった小さな危険の中で身を守る知恵を身につける。その知恵を元に想像力を育むことの大切さを言おうとしているようだ。その知恵を与えてくれる小さな命たちを「気持ちが悪い」という都会人の理由で殺虫剤の犠牲にする。森は暗いから伐採する。土は汚いからコンクリートで覆う。
 人間も自然の中に生きる生物に変わりないのに…。
ちょっと前まで田舎だった東京の変貌ぶりを目の当たりにしてきた作者の静かな怒りをも感じさせる。
 すぐご近所のほのぼのとした小さな物語とも読めるし、都会に残ったオアシスのような緑の大切さと保存のための苦労の物語と読むかは、読者の楽しみ。
 昭和20年代に生まれた人たちには、手放せない一冊になるのではないだろうか。
都会に残る森をめぐるけっこうはらはらするお話です

素敵なイラストの表紙に惹かれて手に取った本なのですが、本当にあっという間に読み終えました。

主人公と仲間たちは、子供時代に、怖いオババが一人で住んでいる広い森に、無断で入り込むのが愉快でたまらないようないわゆる悪ガキだった。

大人になった主人公のもとに、いまや高級住宅地になってしまった地域に残る、あのオババの森の管理人にならないかという話が舞い込んでくる。

悲しくて暖かいオババの姿におもわず涙してしまいました。






小学館