集合住宅の夢と可能性
ともすれば没個性なものの代表ととられがちな集合住宅に、どれほど豊かな可能性があるのかを再認識させてくれる一冊。
写真はカラー・白黒あわせてかなり豊富に掲載されており解説も詳しいので、建築やアート、インテリアを学んでいる人や、ひととおりの知識を持っている人も十分に満足させてくれる。
建物の外観だけでなく、各部屋の内部の写真もある。実際に住んでいる人々の生活の場面も織り込んでいる部分が、個人的には最も気に入った。
扉を開けてくれる
ギマールのエクトル・ベランジェにはじまり、ガウディのカサミラ、コルビジェのユニテ・ダビタシオン、サフディのハビタ、ロッシのガララテーゼ、フンデルトバッサーの家…。
世界中の超有名建築家(技術や論理、発言的には芸術家と言っても過言ないような)の実験的集合住宅。建築家とその代表アパートのセレクトも素晴らしい。
ほとんど写真集と呼べるほどの、外観から住民の生活区間、部屋、廊下、階段、屋上…などの説明カットから、そこに居るような錯覚を起こしてくれるような住民が写ったイメージカットまで、その写真に圧倒されます。
少ない文字情報の中には、凝縮したように建築家に代わり簡易にコンセプトを代弁するような、また楽しみながら客が結果を総合判断批評するような文章は分かりやすく、地図の代わりなのか場所が文章で適当ぎみに記載されています。
この小さな中に、非常に巧く美味しい情報をまとめた傑作ではないでしょうか。舞台は世界中ですから。
もっと予算があれば充分にボリュームを出せたであろう内容ながら、各建築家についてや、日本との建築的比較文化の入門書としては最適且つ、ページを開いてここに住んでみたい…感や、旅行感に浸るのにも良し。
この本を元に調べてみると一部観光として、また部屋によってはホテルとしても一般に解放しているアパートもありますので、あとは現地での楽しみに…。
専門者用ではないでしょうが、そんな「扉を開けてくれる」本です。
日本との比較も楽しい
欧米の実験的とも思えるユニークな集合住宅を紹介している。 著者の意図なのだろうが、その集合住宅がどこに存在しているのか、 という説明がぎりぎりまでそぎ落とされている為、まず興味のある 形から読者は入っていく様になると思う。ユニークだが、不便でも あると思う。やはり地図位欲しいし、実際に探訪する人だっていると 思う。個人的には紹介されている住宅を減らしてもでももっと立体的に 見せる工夫があればと思うのだが、それでもやはりこういう所に住んで みたらどうかとか、自分のライフスタイルに合わせて考えてみたり、と 色々な楽しみ方ができる本です。
平凡社
建築家のデザイン集合住宅 (エイムック (862)) 集合住宅物語 事例で読む現代集合住宅のデザイン ハウジング・コンプレックス―集住の多様な展開 (建築デザインワークブック) アジアンアパートメント
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